2. 認知行動療法

認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy)とは?

一次的評価や二次的評価をストレスから強くなる思考へ変える心理療法で、行動療法(*1)の技法に認知的技法を付加したと考えられています。


認知行動療法に含まれる心理療法は、モデリング法・論理情動行動療法・うつ病の認知療法以外にもいろいろ(*2)ありますが、以下のような共通点があります。


<1> 認知行動療法の共通基本仮説
  • 出来事と、それをどう解釈するのかという認知によって、情動が行動が決定される。
  • 人間は、出来事の評価と今後の予測といった認知を変えることで、自分自身の情動や行動をコントロールできる。
  • どのように刺激をとらえ将来を予測するかという認知は、モニター可能であり変容可能である。
  • ネガティブで非現実的な思考が原因となり問題となる各種症状が生じる。
  • ネガティブで非現実的な思考を変えることにより問題となる各種症状は軽減される。

<2> 犠牲者の理論を用いない
認知行動療法では、以下のように考えます。

「今までどのような認知や行動をしているので、問題になる症状が引き起こされているのか?」

つまり、原因を過去経験にもとめるのではなく、現在の認知や行動にもとめるのです。
このため、不幸な過去の犠牲者という見方はしません。

過去の不幸な出来事の犠牲者であると考えると、ネガティブな感情から抜け出すのは難しいですが、現在の考え方や行動が問題と考えれば、その考えや行動を変えればネガティブな感情から脱出できることになる訳です。

これらの方法を用いて、うつ病にならない予防としてストレスから強くしておこうというのが、このサイトを利用する上で重要なポイントとなります。

それでは、認知行動療法の中心的な論理情動行動療法について学んでいきましょう。
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